スクラップ&ビルドを生み出すもの

2011.11.12

戦後、鉄筋コンクリート住宅の「法定耐用年数」は長い間「六〇年(現在は四七年)」とされてきたが、実際には三〇年という短いサイクルで壊され、建て替えられている。この短期間でくりかえされる「スクラップ&ビルド」を押し進めてきた力とは何だったのか。その根本的要因はいくつか考えられる。それは、度を越した土地の「商品化」による「地価の高騰」だろう。本来、再生産も持ち運びもできない土地は、商品ではなく、商品の擬態である。

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社会生活を営む基盤として利用されてこそ価値が生じる。ところが、いつの間にか建物と切り離して「土地商品」とし、「高値」で売買する側面だけが拡大し、土地は投機対象となった。「土地が資産で建物はおまけ」の考え方が広まり、土地の売買に引きずられて上物が壊された。マンション建設も、地価上昇を当て込んで「いずれ壊せばいい」と将来の見通しを立てず、そのときどきのフローの損得勘定で建物の存廃が判断されてきた。集合住宅の維持管理は置き去りにされ、短期間にスクラップ&ビルドが行われた。やがて金融機関の土地担保主義が信用膨張を招き、バブルとその崩壊に至った。