不動産の先行きは、金融の市揚間競争の面でも厳しい。今後の地価を考える上で重要なのはサービス業の動向である。製造業が地価を引っ張る時代は過ぎた。確かに1970年代までは日本の重厚長大所業が国内で工場用地争奪戦を展開し、地価を押し上げた。しかし。自動車はじめ多くの製造業は海外に工場用地を求めた。海外のほうが地価と賃金が安いのに加えて、作った製品の市場が海外に移りつつあったからだ。日本の人口が減りはじめるなかで、製造業にとっての市場はどんどん海外に移っていく。
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もちろん、高度な技術を盗まれたくないなどの理由で一部では工場の国内回帰も起きているが、基本は市場がある海外に工場を作っていく方向性は変わらない。製造業が地価を引き上げる要因になる可能性はほとんどない。そうしたなかで地価動向を左右しそうだと見られているのが金融である。80年代にバブルが発生したときも、日本が国際金融市場になるとの味方が背景にあった。国際金融市場になれば欧米の有力金融機関がアジアの拠点を置くし、それに付随した会計事務所や法律事務所なども進出してくる。いずれも付加価値の高い業務であり、高級オフィスに対する需要が高まることになり、地価が押し上げられる。